ミュージカル 秋に咲く桜のような

スタミナや × イッツフォーリーズ公演

とある地方都市のお話。過疎化の波はこの町にも押し寄せてきていて、人影は少ないのに辺りには町おこしのために育てたコスモスが美しく咲いている。そこへひっそりと佇む一軒の古びた写真館。かつては繁盛していたこの写真館も、シャッター通りとなった商店街同様、開店休業に近い状態が何年も続いていた。その写真館の主人が亡くなった。長い間、地元を離れて暮らしていた息子、沼井守男は久しぶりに実家へ戻り、葬儀の終わったガランとした実家を眺めながら思いに耽っていた。東京へ戻る電車の時間が近づいていたが、守男はその場から動こうとはしなかった。そこへ近所の人たちが守男の様子を見に次々と現れる。同級生でアイドルの追っかけをしている林正太郎、美容師の大根田さゆり、地元ホテルの社長・辰巳 勝、電器屋の出戻り娘・北川美奈代、小料理屋の女将・藤まり江……。この写真館の様々な思い出を懐かしみながらも、守男も町の人々もどうしていいか分からなかった。そして守男はもうしばらくこの町に滞在することにするのだった。数日後、写真館に若い夫婦が記念写真を撮って欲しいと訪ねてきた。思い出の写真館でどうしても記念写真が撮りたいと言う若夫婦に、亡き父に代わり、守男はシャッターを切るのだった。そんな写真館に、IT企業で働く男が再開発の話を持ちかけに現れる。また一方でその再開発を阻止しようと選挙活動の一団がやって来たり……東京になかなか戻らない守男を心配して、妻の律子も駆けつけて来たり……。急に賑やかになった写真館は、このまま息を吹き返すのか?はたまた店を畳んでしまうのか?そして、商店街の運命は?
田舎のさびれた写真館を舞台に、スタミナや×イッツフォーリーズのコラボで描く、笑いと涙のヒューマンコメディです。

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