ミュージカル 見上げてごらん夜の星を

誰もが一度は聞いたことのあるこの曲は、もともとはミュージカルのテーマソングでした

作曲家・泉川は30歳。CMソング制作の仕事に追われながらも、このまま今の仕事を続けていいのかと悩んでいた。そこへ仕事仲間の永田が若者たちを題材にしたミュージカル創りの話を持ちかける……。
昭和30年代後半、日本は高度経済成長期で仕事も職も増え、信じられないくらいの好景気に多くの人材が求められていた。義務教育を終えたばかりの若者は金の卵労働者と呼ばれ、学歴など不必要で労働の重要な手となった。そんな時代に、自分と自分たちの未来のために、昼間は働き、夜は定時制高校に通う若者たちがいた。その若者の一人・坂本は、自分が夜に学校で使う机を昼間の学校で同じく使う女生徒・ユミコと机を通じ文通していた。文通だけでまだ会ったこともない、顔も姿も分からぬユミコは、坂本の仲間たちのアイドルであった。ある日、坂本は机の中に女性物の財布を見つけた。その財布はユミコのものだと坂本は思い、何とか会いたいものだと仲間と話している時に、友人の一人が月謝を払えず退学になると知らされる。悪いこととは知りながらも、坂本はユミコの財布からお金を借りてしまう。そこへ、財布を捜しにユミコが現れる。勝手にお金を拝借した坂本たちを責めることよりも、なぜ、昼間に働き、夜に勉強をしているのか、ユミコには理解出来なかった……。
和製ミュージカルの原点、1960年にいずみたくが作った「見上げてごらん夜の星を」のオリジナルストーリーに、当時なぜ、いずみたくと永六輔がミュージカルを上演したかったのかというサブストーリーを書き加え上演。いずみたくと、永六輔の夢と希望を、今を生きる若者とそして当時若者だったかつての金の卵たちへ届けます。

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