ミュージカル 月のしずく

見えない海と欠けていく月に込められた 切なく、そして優しい三日間の物語 

辰夫は母親に先立たれ、今はひとり、借家暮らしをしている。中学を卒業してからすぐに、埋立地のコンビナート工場で荷役の仕事を始め、30年近く変わらない生活を続けている。ある日、いつものように安居酒屋で仲間と飲んだ後、満月の明かりの中を歩いていると、目の前に停まった車から、美しい女が男と喧嘩をしながら降りてきた。札束を女に投げつけ、車で走り去る男……。裸足でひとり残された女……。あまりの出来事に驚いた辰夫は、女を背負い自宅に連れて帰った。彼女の名前はリエ。銀座のクラブのホステスで、男とは不倫関係であった。辰夫は身分違いの恋とは知りながらも、リエに惹かれ、今の自分を変える決心をするのだが……。
「天切り松 人情闇がたり」に続き、浅田次郎の短編小説をミュージカル化。

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