ミュージカル 見上げてごらん夜の星を

ミュージカルから生まれたヒット曲

【1963年再演版プログラムより抜粋】「見上げてごらん夜の星を」は五年前の作品です。それから永は「歯車の中で」いずみは「泥の中のルビー」を経て去年「灯台の灯のように」を書きました。スタッフは一人も変っていません。僕達のミュージカルの代表作は次回作です。永六輔、いずみたく
《ミュージカルのだいこ味》ミュージカルには必ずテーマ曲がある。そのテーマ曲が、その場面に応じて、色々な唄い方をされる所に一番ミュージカルの面白さがあるのではなかろうか。或いは嬉しさのあまり、或いは悲しみに沈み、或いは心に怒りをこめて、そのテーマ曲が唄われる。それが流行歌やポピュラーソングを作曲する場合と大変に違う面白さである。台本を読みながら、その場面を想低しながら作曲してゆくともう僕一人の気持の中では、そのミュージカルが完成されて、その舞台を生き生きと夢みるのである。その楽しさが僕をミュージカルのとりこにしてしまった一番大きな理由である。(いずみたく)
《あらすじ》話は小さな町の小さなある定時制高校が舞台ーー。この学校には太陽の下で働き、星空の下で学ぶ七人の仲間(坂本九とパラダイス・キング)がいる。昼は土建屋に勤める坂本。図書館の歴史の本の係りの飯田。そしてテキ屋を商売にする増田などだ。ある日、坂本の机のなかに女性(九重佑三子)からの一通の手紙が舞いこむ。彼女はヒル間坂本の机に坐って勉強しているのだ。この手紙と女性をめぐって、七人の仲間が入りみだれ、話しはユーモラスに展開してゆく。七人の夜学生と共通のガールフレソド佑三子は、サイクリングにいったり、一緒に勉強したりするが、その中から、ナゼ勉強するのか? ナゼ働くのか? といったテーマを追求しながら場面は発展していく。この舞台では、テーマ曲「見上げてごらん夜の星を」はじめ「勉強のチャチャチャ」、藤波さんが唄う「帰っておいで故郷へ」など十数曲の歌が使われ、テーマ曲はすでに坂本九によってレコード化され東芝より発売されている。

公演概要